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見本 出生仕様書 使命編

それ、故障ではなく、仕様です。

出生仕様書 使命編 何のために生まれ、何をして生きていくのか。/題を一枚に刻んだもの

人と会うと、その場の空気がすぐ分かる。相手が何を我慢しているかも、だいたい分かる。だから自分の言いたいことは後ろに置いて、まず合わせられる。それは、あなたが最初から持っている力です。

なのに内側は、まったく静かじゃない。好きになったら深く入るし、一度傷ついたことは何年も覚えている。どうでもいい相手には、本当に興味がわかない。外から見えているあなたと、中にいるあなたが、かなり違う。

そして、本当に言いたいことほど、その場で言葉にならない。あとで一人になってから、やっと形になる。時間をかけて選んだあなたの言い方は、他の人が絶対に使わない言い方になっている。

これは遅いのではありません。あなたはそういう作り方をする人です。そして、いま挙げたこと全部が、あなたの仕事の材料です。

「みんなが飲み込んだ言葉を、きれいな形にして、あなたが先に言う」

これが、あなたが生まれてきた理由です。一つだけです。

世の中には、言えないまま人の中に溜まっていく気持ちが山ほどあります。情けない気持ち、恨み、うらやみ、寂しさ、誰にも大事にされなかった記憶。ほとんどの人はそれを飲み込んで、なかったことにして生きています。それに言葉と形を与えて、人が目をそらさずに見られる状態にして差し出すのが、あなたの仕事です。

あなたにこれができる理由は三つあります。

一つ目。あなたには、人が隠しているものが見えます。自分の中に同じ重さを持っているからです。あの重さは、あなたの目です。

二つ目。あなたには、形にする力があります。同じ内容でも、あなたが選んだ言葉やあなたが整えたものだと、人は逃げずに受け取れます。きつい話を、見ていられる形にできる。これは生まれつきの技術で、しかもあなたは今までのやり方をなぞらず、新しいやり方をつくる側の人です。

三つ目。あなたには、一番隠したい話があります。家のこと、居場所がなかったこと、ちゃんと大事にされたかったこと。それが、あなたの仕事の中心です。ここを避けると、あなたの作るものは全部きれいなだけで終わります。

順番を間違えないでください。他人の気持ちを代わりに言ってあげる、が先だとうまくいきません。まず自分のことを、自分の言葉で、先に出す。あなたが「私はこうだった」と言った場所に、同じものを抱えた人が集まってきます。

行き先は、拍手をもらう舞台ではありません。あなたが本当に作るのは、場所です。人が見栄を張らなくていい場所、本音を言っても平気な場所。人数は少なくていい。あなたはその真ん中で目立つ人ではなく、その場所を作って持ちこたえる人です。今、ちょうどそれが始まる時期に入っています。

守ってほしいことを、五つだけ書きます。

一、上手にまとめただけのものは、あなたにとっては失敗です。まだ治っていない部分を、必ず一つ残して出してください。

二、完成を待たないでください。先に締め切りを決めて、途中でも出す。あなたが「まだ言葉になっていない」と思っているものは、他人にはもう十分に届きます。

三、お金を取ってください。自分の深いところを使う仕事を無料で続けると、あとで必ず苦しくなります。値段をつけていいです。

四、小さな「嫌だ」を、三日以内に口に出してください。あなたの怒りは外に出ずに、体と気分の中に溜まります。喧嘩をしろという話ではなく、一言だけ言えばいいという話です。

五、人数を増やさないでください。深く付き合う相手が三人いれば足ります。そのかわり、一人でこもって作る時間を必ず確保してください。あなたが一番いいものを出すのは、その時間です。

最後に一つ。これは誰からも頼まれません。あなたはずっと、人に合わせられるほうの人だったので、待っていれば誰かが役を渡してくれそうな気がすると思います。渡されません。あなたは、自分から始める側に生まれています。

飲み込んだ言葉を、あなたが先に言ってください。あなたが言った瞬間に、それまで一人で黙っていた人が、やっと口を開けるようになります。それをやるために、あなたは生まれています。

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